- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
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ということで「藪の中」。これなんてNTR。ゾクゾクきた。だって夫が木に縛られて、その前で妻が盗賊に手込めにされるって。この小説にゾクゾクしてるヘンタイを主人公にして再構成したのが森見版ってことか。三者三様のエンディングのあやふやな感じがスッキリしない終わり方、リドルストーリーってやつ(追記:未解決事件の事を「真相は藪の中」って言うのはこの話から来てるのか!!!)。
次「桜の森の満開の下」。これ正直よく分からん。だって生首遊びとかラストの幻想とかホラーと見まごうたし。この話、「恋愛小説アンソロジー」なる本で読んだんだけど、全く恋愛じゃないし。森見版の方がよっぽど恋愛で、ラストの物悲しい感じも好きだ。
最後「百物語」。ホラーアンソロジーから見つけてきたので、身構えて読んだけど、全然怖い要素無くって拍子抜け。だって普通に百物語会場に行って中抜けするまでの話で終わりなんだもん。むしろホラー的な話じゃなくって「傍観者」というテーマでの思索だった。だから森見版はわざと不思議なホラー的終わり方にしてあったんだな。
藪の中→★★★★☆
桜の森→★★☆☆☆
百物語→★★★☆☆