森見登美彦『四畳半神話大系』

四畳半神話大系 (角川文庫)

「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」

異常である…咳が止まらない。よって通常の読書が出来ない。
と言う事で本書の内容である。4つの話で4つの平行世界について語られている。これは凄い。『太陽の塔』ほどの鬱屈さや『夜は短し』ほどの清々しさは無いものの、構成が凄い。特に第一話の映画と第二話の自虐的代理代理戦争がリンクしていたと気づかされたときなどは感動すら覚えた。平行世界と言う事で『SFが読みたい！』にランクインもうなずけるが、やっぱり『夜は短し』はSFじゃないような気がする。
それにしても森見作品のヒロインは変な子なのに魅力的。
あと関係ないが、京大卒業式の様子を今更ながらニコ動で見た。どう見ても韋駄天コタツのコスプレでした。