山本弘『シュレディンガーのチョコパフェ』

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

SF短編集。読む前は『まだ見ぬ冬の悲しみも』からの改題反対派だったけど、今は『シュレディンガーのチョコパフェ』でよかったと思う。ただ『シュレディンガーのチョコパフェ』の話が一番気に入っただけだけど。
それにしても多彩な短編集だな。ライトからハード・宇宙人・ヒーロー・時間SFと幅広い。多彩すぎて若干バラバラ感があるような気がしないでもない。。。でも総じて良かった。

• シュレディンガーのチョコパフェ

ラストで主人公は幸福そうだけど果たしてこれはハッピーエンドなのか??
それにしても何故人は(自分は)「シュレディンガーの猫」がこんなにも好きなんだろう。

• 奥歯のスイッチを入れろ

『サイボーグ009』のリアル版。細部までリアルに計算されている。

• バイオシップ・ハンター

生体宇宙船の話。
異星人イ・ムロッフの描写が細かい。

• メデューサの呪文

言語SF。飛浩隆『象られた力』の言語版かな。

• まだ見ぬ冬の悲しみも

時間SF。肝心なところのつながりが少し分からなかった。

• 七パーセントのテンムー

イーガンの短編っぽい雰囲気。終わり方も含めて。
読んでるうちに自分もテンムーのような気がしてきた。こんな独創性・創造性のない文章ばかり書いてるから。

• 闇からの衝動

C・L・ムーアの話。山本弘自身の敬愛する作家の1人らしい。
正直C・L・ムーアのこと知らない。C・L・ムーアが女って事も初めて知った。でもノンフィクションとフィクションの混ざり方が興味深い。