グレッグ・イーガン『ひとりっ子』

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

やっぱりイーガン先生すごいです。なぜ今まで読まずにほったらかしにしていたのか??特に良かったのは『ルミナス』と『ふたりの距離』。
あと未読なのは『ディアスポラ』だけか。。。難解そうで敬遠してたけど俄然読む気がわいてきた。
苦言を一つ呈して見る。この表紙ってどうなの?山岸真たっての希望だったみたいだけど…。今までの表紙の方がよかったのに。。。

• 行動原理

『宇宙消失』に出てくるモッドとほぼ同様の作用であるインプラントの話。
この話読んでて「PS9は鼻から吸引して脳に直接作用する」って話を思い出した。

• 真心

『行動原理』と同様、インプラントの話。
インプラント<ロック>を使用して表面的には幸せそうだけど、ラストの微かな閉塞感が余韻を残す。

• ルミナス

星雲賞受賞作。「数学SFの極北」って極北過ぎ。。。<不備>とか半分も理解してないかも。星雲賞で投票した人やその他読者の皆さんはどれぐらい理解しているんですかね??
とりあえず彼方側の住民の発想とかイーガン先生凄すぎって事で!!

• 決断者

1番訳わからんかったorz<百鬼夜行>ってソフトは脳の神経細胞を見せるソフト?人間の行動を決定するのは絶対的決断者ではなく神経細胞という名の機械って事?

• ふたりの距離

他者(恋人)の事をもっと知りたい。どんな風に世界を認識しているのか?でも自分が他者自体にはなれないし、、、という話。
恋人は自分と違うタイプの方が良いという事で。

• オラクル

未来(平行宇宙の)から来たアンドロイドの話と機械知性の話。
ごめんなさい。討論会部分があまり理解できなかった。最近理解力落ちてきたかな?いや元からか…。

• ひとりっ子

多世界解釈の憂鬱。量子力学の多世界解釈における分岐が起こらないような単一存在のアンドロイドをつくる話。
自分としては違うバージョンの自分がどうなっていようと関係ないように思うけど。。。
あと『ひとりっ子』っていう邦題がなんかしっくりこない。