くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

夏衣優綺『ペルシャの嘘』


ペルシャの嘘
作者:夏衣優綺
出版社/メーカー:文学カフェ『お菓子の家☆第三位相』
発売日:2022/08/21
メディア:文庫判(A6)

9/25の文フリ大阪でgetした本!メッチャいい話で面白かった!メラミン製品の原料となるチップ材の誤発注。しかも200万円分!しかしそのデータや現物や支払いまでも忽然と消えていた。横領?誰が?なぜ?という企業ミステリ。いいホワイダニットのミステリだった!主人公の営業一係課長の由科がいいキャラだし、それ故のこの真相は本当にいいね!こんなホワイダニットだったとは予想できなかった!冒頭の話の枕からの、ラストシーン締め方も良いし!上手い展開。タイトルも全て読んだら納得good。いい企業ミステリでした!

搗鯨或『キボウ』


キボウ
作者:搗鯨或
出版社/メーカー:群逢書房
発売日:2022/05/29
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
2036年11月30日、日本時間午前0時。巨大隕石がぶつかり地球は消滅します」僕が生まれる何十年も前、テレビで有名な学者たちがそう宣言したらしい。人も、家の灯りも車もない静かな夜。僕は彼女との約束のためある場所へと向かう。

文フリ大阪でgetした本。隕石による終末。多くの人は地球を出て逃げのびたが、残された人は。淡々と最後の時を迎える。ラリイ・ニーヴンの傑作短篇「無常の月」にも似た淡々とした筆致で終末を描く。無常の月と並ぶくらい引き込まれる空気感。そしてついに隕石が。だがまだそこで物語は半分。ここからなるほど、そうなるか!思いもしなかった展開にますます引き込まれた!路上で歌う男女や最後に会いに行く人など一つ一つが印象的な繋がりのエピソード。イラストもまさにピッタリ、この空気。静かだけど心に刺さる物語でした!

ネトフで七対子

ネットオフにて。

『ナナヲ♡チートイツ』!2009年に出た麻雀ラノベ!今はなき学研のメガミ文庫!イラストはヤマノススメのしろ先生!なのにハードな内容らしい?麻雀小説といえば牌活字いいよね!ってか『麻雀放浪記』も途中までしか読んでないの、早く読まなきゃ!
神林長平トリビュート』!この豪華執筆陣による神林作品のトリビュート短編!すご!

風野湊『紙飛行機に眠る月』


紙飛行機に眠る月
作者:風野湊
出版社/メーカー:呼吸書房
発売日:2014/05/10
メディア:文庫判(A6)

9/25の文フリ大阪でgetした本!
すごいいい空気感の作品集だった!幻想作短編集と銘打たれているだけあって、どの話も世界観に幻惑された!ファンタジーありSFありと多彩な設定でまず驚く。そしてアイデアの豊富さも読んでいて楽しかった。さらに文章もキレイで丁寧な描写で読んでて気持ちいい。いい本を読んだという満足感でよい体験でした!

  • 「父の転生」

事故に遭った父が新しい身体へ。グレッグ・イーガン的なガジェットを日本の静かな日常で書くといういいアイデア

  • 「少女ドーリィ」

意識のあるドールがついに人間の身体を手に入れる。愛するご主人に対する気持ちの揺れが上手く書かれているオチがいい。

  • 「青の国」

雨のない「世界」で暮らすロボットたち。ラストで広がる世界観にSF的な驚き。これはいいSF短編!

  • 「花束マダム」

いつも同じ電車で花束を持って乗っているマダム。現代の一コマを上手く切り取ってような話。

  • 「竜退治の街グリムカルダ西小川通り商店街」

一転してファンタジー世界。市井の人たち子供たちの心の動きが上手く書かれていてグッド!タイトルも絶妙で好き!

  • 「ある冬の日の」

高速道路の外灯と星の光の擬人化を詩的に描いたショート作品。こんな視点もあるんだ。

  • 「砂漠と釣りびと」

砂漠の砂の海で釣りをする人々。これもまたアイデアいい。

  • 新月をグラスに注いで」

これまた一気に読ませる。透明人間になった女子高生と美容師の出会い。自分の存在を透明にしたかった気持ち分かるし、それを再生しようとする美容師のお姉さんの想いも分かる。

  • 「紙飛行機に眠る月」

これまたスゴイ。ラストに相応しい作品。主人公である紙が「なりたかった夢」の描き方がいいし、ラストに今のオレに繋がるっていう終わり方が本当にいい。上手い。

名江ゆうな『ディア・プロキシマ―灰都・イギリス―』全3冊


ディア・プロキシマ―灰都・イギリス 第一章―
作者:名江ゆうな
出版社/メーカー:proxima
発売日:2019/09/08
メディア:文庫判(A6)


ディア・プロキシマ―灰都・イギリス 第二章―
作者:名江ゆうな
出版社/メーカー:proxima
発売日:2020/01/19
メディア:文庫判(A6)


ディア・プロキシマ―灰都・イギリス 第三章―
作者:名江ゆうな
出版社/メーカー:proxima
発売日:2020/09/06
メディア:文庫判(A6)

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想で〜す!
使い魔・ゲンキ君::今回はサークル「proxima」の名江ゆうなさんの『ディア・プロキシマ』だガル!「灰都・イギリス編」の全3冊を読んだガル!
亮人::9/25の文フリ大阪でgetした本やな!
ゲンキ君::それで内容はどうだったガルか?
亮人::メッチャ面白かったんよ!!これがもう!!今回の文フリの公式サイトでネットカタログの事前チェックしてて、一番に期待してたサークルさんやったんやけど、ほんま間違いなかった!期待以上!!今回の文フリのナンバーワン!
ゲンキ君::そこまで当たりだったガルな!
亮人::まずスチームパンクSFという設定がホンマ好き!オレのド真ん中やった!正確にはこの世界、蒸気じゃなくてゼンマイ動力が主軸やけどな。
ゲンキ君::第一次大戦前夜、世界中で大災害「裁き」が起こって、電気の文明は後退してしまうガル。そして電気の代わりにゼンマイ動力によって世界は再始動。そんなロンドンが舞台だガル。
亮人::もうこれだけで好きな要素が満タンや!最高やった!
ゲンキ君::主人公は大学院生のクリートとそのメイドのネイト。この主役二人のキャラクタも良かったガルな!ゼンマイ少女を助けたことで戦いに巻き込まれるガル。
亮人::秘めた創造の力のクリートと投げナイフのネイトによる戦闘シーンがカッコええんよ!ラノベ的なキャラクタ小説としてもグッドや!
ゲンキ君::ストーリーは、1巻のロンドンから2巻では機関車での旅路となり3巻でマンチェスター決戦となるガル。
亮人::この冒険感も楽しかったわ。この機関車がゼンマイ駆動ってことで、SL(SteamLocomotive)ではなくML(MainspringLocomotive)と呼ばれてるという世界観の細かな設定も心くすぐるし!
ゲンキ君::マンチェスターでは最後の強大なボスと対決。
亮人::手に汗握る展開の連続やった。ラストがクリートではなくああいう決着なのは、今後の続巻でさらなるクリートの成長があるのか?そのへんも楽しみやわ!
ゲンキ君::続巻で『ユトレヒト編』がまだ3冊出ているみたいなので、これは絶対にgetしなければならないガルな!
亮人::そうなんよ。ってか今回の文フリ大阪でユトレヒト編まで買っておけばよかったと今後悔してるくらいや。
ゲンキ君::ということで本当に好きな要素いっぱいで楽しい、そして面白い小説だったガルな!!
亮人::うん!ゼンマイの少女といえば某翻訳SF小説の某バチガルピの某『ねじまき少女』が思い浮かぶ人が多いんやろけど、ハッキリ言うてアレよりよっぽど面白かったよね。ヒューゴー賞なんて、なんぼのもんじゃい!
ゲンキ君::某の意味ない、名指し!?ご主人はアノ話、苦手だったガルな。
亮人::あんな辛気臭い話より、こっちの活劇の方がよっぽどええ。
ゲンキ君::まぁあっちは社会問題の提起がテーマだったガルしな。暗くても、しょうがない。ってか別作品を落としてコッチを上げるという読書感想はあまりいいものじゃないガルよ?
亮人::スイマセン!
ゲンキ君::えらい素直だガルな?
亮人::スイマセン!心を入れ替えます。アタマのネジも巻き直します。ゼンマイだけにw
ゲンキ君::全く反省してないや〜ん!
亮人::土下座して謝ります_(┐「ε:)_
ゲンキ君::これって土下座の顔文字だったガルか?
亮人::あー土下座じゃなかった。これは寝転ンドンねんwロンドン編だけにw
ゲンキ君::ちーん。
亮人::なんしか本書はスチームパンクSFのガジェットの料理の仕方が上手い!テーマの捌き方は名料理人並み!ええコックや!英国だけにw
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!

中村幽子『くじラ!』

摩天幽谷企画の中村幽子さんの『くじラ!』読了!
文フリ大阪でgetした豆本。プレゼント用にgetしたけど、先に開けさしてもらった!
この大きさ!本当にカワイイ!
表紙部分はメタルの枠にチャームをレジンで入れ込んであって、重厚感でカッコイイ!
中身は童謡「くじらのとけい」を元にしたイラストで本当にキュート!プレゼント用だから大開きにできなく写真はないけど、温かい優しさを感じるイラスト!
この他にニャンコのバンドのやつとかもブースに並んでたけど、そちらもチェックしとくべきやった!絶対カワイイ!
また手に取るチャンス絶対作りたい!

図書館でヨルガオ

岸和田の図書館まつりの古本市にて。

岸和田市の図書館の図書館まつりに行ってきた!古本市で、いい本をgetしてきた!実質無料でコレいいんですか?!運営資金を好きなだけ募金箱に入れるシステムだったので、タイマイを入れてきたけどね!

ツタで九段下

最寄りのツタヤにて。

地元のツタヤがリニューアルオープンして初めて行ってきた。たしかに新しくなって、見やすくなってた。でも文庫のコーナーが二階の僻地に移転させられてたw
ということで『九段下駅』!あったので思わず買ってしまった。南海地震での混乱で中国が攻め込んできて、中国とアメリカで分断統治されてる日本の話らしい。なんという設定。しかも連作短編で、各話ちがう作家が書いてるらしい。ややこしい。けど面白そう!